「日本語が話せる」と「仕事で使える」は違います。
外国人社員の日本語能力について、「日常会話ができるので、仕事でも問題なくコミュニケーションが取れるだろう」と考えることはないでしょうか。
しかし、日常生活で使う日本語と、仕事で求められる日本語には違いがあります。
例えば、買い物や食事などの日常的な場面では、簡単な言葉や短い文章でも意思疎通ができます。
一方、職場では、業務の進捗状況を報告したり、問題が発生した際に原因や経緯を説明したりするなど、より正確で具体的な表現が求められます。
上司から「例の件はどうなっていますか」と尋ねられたとき、「まだです」と答えるだけでは、現在の状況が十分に伝わりません。
「現在、資料を作成しています。明日の午前中には提出できる予定です」と説明できれば、相手は仕事の進捗状況を把握することができます。
また、指示の内容が理解できなかった場合に、適切な質問をする力も重要です。
曖昧な理解のまま作業を進めてしまうと、思わぬミスや業務の遅れにつながる可能性があります。
このように、職場で必要とされる日本語能力は、単に語彙や文法を知っていることだけではありません。
相手や状況に応じて、必要な情報を正確に伝え、確認する力も含まれます。
日本語能力試験で一定のレベルに達していても、実際の業務で円滑にコミュニケーションが取れるとは限りません。
外国人社員への日本語教育では、一般的な日本語学習に加えて、報告・連絡・相談や電話対応など、実際の業務を想定した練習を取り入れることが効果的です。
外国人社員が安心して仕事に取り組み、その能力を十分に発揮できるようにするためにも、職場で「使える日本語」を身につけることが大切です。

