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2025.10.02

ふさわしい言葉

日頃より弊社ブログにお越しいただきまして、誠にありがとうございます。
さて本日は、「生徒様が知りたい【ふさわしい言葉】」について、書きたいと思います。



日本語を学んでいる生徒様から、教室でよく出てくる質問のひとつが「あいさつや別れ、礼儀に関する言葉は、誰にどんな言葉をチョイスして使うのか」ということです。

これは、文法や語彙の正しさだけでなく、きちんと場にふさわしい日本語を使いたいという気持ちの表れだと思います。

例えば、家族の中では「おはよう」「おやすみ」は毎日のように使いますが、「こんにちは」は使いません。

また、職場では「さようなら」と言わず、「お先に失礼します」と言うのが一般的です。さらに、上司に「バイバイ」「じゃあね」は不自然ですが、友達同士であれば自然な表現になります。

このように、同じ「別れの言葉」であっても、場面や相手との関係によって選ぶ表現が変わります。

ここで関わってくるのが「語用論(ごようろん)」です。語用論とは、言葉の意味そのものではなく、その場面や相手に応じてどう使うのが自然か・適切かを考える分野です。

つまり、「正しい言葉」というよりも「ふさわしい言葉」を選ぶ力です。



文法学習が進んでくると、学習者の皆様は、「日本語を話すだけじゃない、その場に合った、きれいな日本語を習得したい。」と感じるようになります。

学習者様が「どうすれば失礼にならないか」「どうすれば自然に聞こえるか」と考えて質問してくれるのは、日本語をより深く理解しようとしている証拠です。

実際の生活や職場で人々がどんな表現をしているのか観察し、「語用論的にふさわしい」日本語を身につけていくことが、より自然で豊かなコミュニケーションにつながります☆

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