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2025.06.19

コンテクストの違い

日頃より弊社ブログにお越しいただきまして、誠にありがとうございます。

さて今回、異文化における【言葉の伝え方・伝わり方】について書きたいと思います。


私たち日本人は、相手の気持ちを「察する」ことを大切にする文化の中で育ってきました。
言葉にしなくても伝わる、あるいは、言葉にしないからこそ伝わる——そんな感覚に、私たちは安心や優しさを見出してきたように思います。


このような文化は、「高コンテクスト文化」と呼ばれます。
日本をはじめ、韓国、中国、アラブ諸国、そしてラテンアメリカの一部の国々もこれに当てはまります。

こうした国々では、会話の背景にある前提や関係性、沈黙の意味、表情や声のトーンなど、“言葉にならない情報”が重要な役割を果たします。

たとえば、日本では「ちょっと考えておきます」と言うと、それは「やんわりと断っている」と受け取られることが多いです。
相手にストレートに「NO」と言うことを避け、場の空気を壊さないことが配慮とされるからです。

一方で、アメリカ、ドイツ、スイス、スウェーデンなどの「低コンテクスト文化」に属する国では、明確で直接的な表現が求められます。
曖昧な返答は、時に信頼を損なう原因にもなりかねません。
先ほどの「ちょっと考えておきます」も、こうした文化では「前向きに検討している」と受け取られ、期待を持たせる結果になることがあります。

この違いは、単なる言葉の使い方の違いではなく、信頼の築き方にも関係しています。
高コンテクスト文化では、相手の気持ちを察したり、あえて言葉にしないことで信頼が深まる一方、低コンテクスト文化では、自分の意見をはっきり伝えることが誠実さの表れになります。

どちらが良い悪いではなく、それぞれの文化における“コミュニケーションの前提”が違うということですね。
自分の文化を知り、相手の文化を尊重する姿勢を持てば、異文化とのすれ違いもやわらぎ、理解の扉が開いていくのではないかと思います。

教室でも、その点については配慮しながら運営しています。
ですが、これは国ばかりの問題ではなく、【個性】によっても違ってくるので、生徒様をよく見て、接していくことが大切だなと思っています(*^^*)

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