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さて本日は、文法の違いについてお伝えしたいと思います。

日本語を教えていると、つくづく「文法って文化だなあ」と感じることがあります。
文の構造、語順、時制、敬語──どれもその国の価値観や歴史がにじみ出ています。
たとえば、
🇲🇲 ミャンマー語
主語+目的語+動詞(SOV)の語順で、日本語と似ています。
そのため、動詞の位置にはあまり戸惑いませんが、助詞の概念がないため、「が」「を」「に」などの使い分けに苦戦する生徒様が多いです。
🇻🇳 ベトナム語
語順は英語と同じSVO(主語+動詞+目的語)。
動詞の後に目的語がくるのが自然なので、日本語のように最後に動詞がくると「落ち着かない」と言われることも。
また、時制を表す助動詞がないので、「たべました」「たべます」「たべたい」などの活用に最初は驚かれます。
🇵🇭 フィリピン語(タガログ語)
語順が柔軟で、焦点をどこに置くかで順番が変わります。
日本語と共通する曖昧さもありますが、動詞が文頭に来ることも多く、日本語との違いは大きいです。
日本語の文法は、意味の伝達よりも人間関係や気遣いを重視する構造が所々にあります。
だからこそ、日本語教育では「文法を教える」=「文化を伝える」ことでもあると、日々感じています。
違いを知ることで見えてくる、自分のことばの輪郭。
これからも、日本語を通して、世界中の学習者様と向き合っていきたいと思います。