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2025.10.23

断りの表現

日頃より弊社ブログにお越しいただきまして、誠にありがとうございます。

本日は講師として気をつけていることを書きたいと思います。





日本語には、はっきり「行きません」「できません」と言わずに、やわらかく断る表現がたくさんあります。

たとえば「その日はちょっと…」「また今度お願いします」などです。

これは相手を傷つけないための遠慮の文化です。直接的に言うよりも、やわらかく伝えることで人間関係を大切にしています。

たとえば友だちに誘われたけど行けないときは「今日はちょっと予定があって…」、

上司からの食事の誘いを断るときは「お気持ちだけいただきます」、

何かすすめられたときには「今度ぜひ」と言うことがあります。

日本語では、断るときにも優しさがあります。外国語ではストレートな言い方が自然なこともありますが、日本語では空気を読むような伝え方が信頼につながります。

「その日はちょっと…」という言葉にも、思いやりが込められているのです。

日本語教育では、文法や語彙だけでなく、「どんな場面で」「どんな言い方をするか」という語用の学びも大切です。

たとえば、「行きません」と「その日はちょっと…」は同じ“断る”意味でも、聞く人に与える印象がまったく違います。

学習者様が日本で働いたり、友だちをつくったりする時には、このような遠慮や思いやりの表現が欠かせません。相手の気持ちを考えた言い方を学ぶことで、会話がより自然になり、信頼関係も築きやすくなります。

つまり、「その日はちょっと…」という言葉は、日本語の文化を理解する入り口でもあり、コミュニケーション能力を育てる大切な教材の一つなのです。

日本語のやさしい断り方を知ると、人との関係がもっとスムーズになるということを、レッスンでも伝えていきたいと思っています。

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