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2025.09.11

長いの?短いの?

日頃より弊社ブログにお越しいただきまして、誠にありがとうございます。

さて本日は、品詞について書きたいと思います。


日本語の初級で習う形容詞に「長い ↔ 短い」があります。
これは反対語として、とてもわかりやすいのですが、実際の会話の中では不思議な表現が出てきます。

たとえば、
「このロープの長さが短い

生徒様からすると、「え?長いの?短いの?どっち?」と感じてしまいます。
ポイントは、「長さ」という言葉は形容詞ではなく名詞化していることです。つまり「長さ(=length)」という対象を取り上げて、それを「短い」と説明しているんですね。

そうとは知らないまだ初級の生徒様が、日本人の「このパイプは長さが短いから使えない」などを聞くと、混乱してしまうのでしょう。

さらに面白いのは、同じ長さでも物によって評価が変わることです。
たとえば15cmの鉛筆なら「長い鉛筆」と言いますが、15cmのロープなら「短いロープ」と言います。
同じ15cmなのに、鉛筆なら長い、ロープなら短い。これは形容詞の面白い感覚です。

海外でも似たようなことがあります。
英語でも a long pencil とは言いますが、同じ15cmのロープを a long rope とは普通言いません。むしろ a short rope になります。
つまり、形容詞がもともと持つ意味を越えて「何を基準に長い・短いと感じるか」は、文化や常識に依存しているんですね。

こうした小さな違和感は、生徒様が「日本語って面白い!」と感じるきっかけにもなります。授業の中で一緒に笑いながら発見できる瞬間を、これからも大切にしていきたいです。

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